2011年11月10日木曜日

アンデス諸国共同体首脳会議

       
              アンデス諸国共同体(CAN=カン)に加盟するボリビア、エクアドール、ペルー、コロンビアの4カ国大統領が11月8日、コロンビアの首都ボゴタで首脳会議を開いた。

   エクアドールのラファエル・コレア大統領が、コロンビアとの貿易の著しい不均衡を理由にCAN脱退の可能性をほのめかしたため、急遽開かれた。

   コレアによると、今年1~8月のコロンビアへの輸出は6億6600万ドル、同国からの輸入は14億5700万ドルだった。

   会議の議長を務めたコロンビアのフアン・サントス大統領が、事前協議で不均衡是正を約束したため、会議は穏便に進んだ。コレアは、満足の意を表した。

   CANの公式首脳会議は、08年から開かれていなかった。4首脳は、今後年1回開くことで合意した。また、CANと南部共同市場(メルコスール)との関係強化を図ることを決めた。

   ボリビアのエボ・モラレス大統領は、「コロンビアの前政権の下では訪問できなかったが、サントス大統領になって信頼関係を築くことができた」と表明した。

   ペルーのオヤンタ・ウマーラ大統領は、記者団から、コロンビア軍によるFARC最高指導者アルフォンソ・カノの掃討について意見を求められ、「コロンビアの内政問題だ」と返答を避けた。

   CANは1969年、「アンデス条約(機構)」として6カ国で発足した。だがチリがピノチェー軍政時代に脱退し、ウーゴ・チャベス大統領のベネズエラも06年、ペルーとコロンビアの対米自由貿易協定交渉開始を嫌って、脱退した。

   4カ国の合計人口は9700万人。2010年の域内貿易は78億ドル。今年は90億ドルに達する見込み。ボリビアとエクアドールは、チャベスが盟主の「米州ボリバリアーナ同盟(ALBA=アルバ)」に加盟している。

(2011年11月10日 伊高浩昭)