2011年12月6日火曜日

「太平洋同盟」首脳会議

★▽★▽メキシコのユカタン州都メリダ市で12月4日、第2回太平洋同盟首脳会議が開かれた。この同盟はことし4月28日リマでチリ、ペルー、コロンビア、メキシコの4カ国大統領が調印した「リマ宣言」で発足した。「親米・新自由主義経済路線」の同盟で、オバマ米政権は発足を歓迎した。

     同盟は、バラク・オバマ大統領が今年3月のブラジル、チリ、エル・サルバドール3国歴訪時に、チリで明確にした「太平洋岸パートナーシップ協定」構想に相呼応するものだ。

     ベネズエラのウーゴ・チャベス大統領が盟主のラ米左翼陣営の「米州ボリバリアーナ同盟(ALBA=アルバ)」や、ブラジルが盟主の中道左翼の「南部共同市場(メルコスール)」に対抗したいラ米新自由主義陣営の同盟だ。

     今首脳会議には、メキシコ、コロンビア、チリの3国大統領と、ペルー外相が出席した。ペルーのオヤンタ・ウマーラ大統領はカハマルカ州内の問題などで動きがとれず、カラカスでの首脳会議に次いで、メリダ会議も欠席した。パナマのリカルド・マルティネリ大統領がオブザーバー出席した。

     3首脳と外相は「メリダ宣言」に調印した。来年6月サンティアゴで開かれる第3回首脳会議で、同盟を「財・役務・資本・人の自由移動地域とする条約」に調印することなどが盛り込まれた。

     4カ国の合計人口は2億人。ラ米GDP総額の34%を占める。来年の経済成長率は4・6%と予測されている。

     カラカスで3日、「ラ米・カリブ諸国共同体(CELAC=セラック)」が創設されたが、そのなかにはALBAあり、メルコスールあり、太平洋同盟ありで、生まれたばかりの「共同体」にさまざまな色彩を与えている。

(2011年12月5日 伊高浩昭)