2012年2月1日水曜日

パラグアイで独裁期の記憶回復のため「記憶週間」始まる

▼▽▼パラグアイで1月30日、「ラ・セマーナ・デ・モメリア(記憶週間)」が始まった。1989年まで35年間続いた故アルフレド・ストロエスネル将軍の軍事独裁時代に殺害されたり拷問されたりした人々の記憶を回復し、同じ過ちを繰り返さないようにするのが目的。

    フェルナンド・ルーゴ大統領は開会式で、「パラグアイの記憶は、恐怖、弾圧、拷問によって長年隠され、彷徨ってきた。この週間は、自由と平和のために闘った同胞を讃えるためのものだ。暴力や憎悪の週間ではなく、不当にも処刑された人々らのためのものだ」と述べた。

    また、アウグスト・ドスサントス情報相は、「国営ラジオの、独裁時代の出来事の録音記録がすべて紛失している。暗黒時代の記録が失われた。これまで探してきたが、見つかっていない」と明らかにした。

    国の「真実・正義・回復委員会」は、今後も録音記録を探し続ける。同委員会は、独裁時代に処刑されたのは最低400人、最大1000人と推定している。

    国は2月1日、首都アスンシオンの南方370kmのニェエンブクー県ピラルで、「記憶の公園」の建設工事に着手する。

    ドスサントス情報相は、「35年の独裁は人道犯罪だけでなく、貧富格差と差別の時代でもあった。独裁は人民を貧困と無知に置きつづけることによって、独裁を維持していた。記憶を取り戻せば取り戻すほど、同じことを繰り返さないための、未来への保障となる」と強調した。

    「記憶週間」は、独裁崩壊23周年の2月3日まで続き、さまざまな行事が催される。