2012年3月18日日曜日

『ある軌跡-未来社60年の記録』を読む

☆★☆本(書籍)は文化であり、文化を創り育む。優れた本、考えさせる専門書の出版で長年定評のある未来社の60年の風雪を描いた本である。単なる<社史>ではなく、読ませる立派な本だ。


★中心を占める「座談会-未来社の15年・その歴史と課題」は、1966年の創設15周年を機に行なわれた座談会の記録で、圧巻。未来社と縁の深い内田義彦(経済学)、木下順二(戯曲)、野間宏(小説)、丸山眞男(政治学)が、未来社の西谷能雄社長(当時)の司会で、出版文化、出版社の表と裏、編集者と著者の関係などを縦横に語っている。


☆能雄社長の息子である西谷能英現社長が、未来社創設60周年の2011年11月、この本を出版した。非売品なのがもったいない内容だ。「出版ジャーナリズム」に興味のある人には必読の書。