2012年3月27日火曜日

法王がキューバに方向転換求める

▽▼▽ローマ法王ベネディクト16世は3月26日、メキシコからキューバのサンティアゴ市に到着した。法王のキューバ訪問は、1998年の前法王、故ヨハネパウロ2世以来14年ぶり。

▼アントニオ・マセオ空港での歓迎式で、ラウール・カストロ国家評議会議長は、キューバが米国による経済封鎖に抵抗していることや、革命の成果である医療保健と教育の分野で国際協力を果たしてきたことに触れ、「信仰の自由は憲法で保障されている」と強調した。

▽これに対し法王は、「痛ましい状況を長らくもたらしてきた、これまでの文化的・精神的方向をこれ以上たどることはできない」と率直に<方向転換>を求めた。そのうえで、「2年前から続けられている経済・社会改革が進展するのを確信する」と述べた。

▼法王は23日、メキシコに向かう専用機内で記者団に対し、キューバを念頭に置いて「マルクス主義は克服され、もはや現実に対応できなくなっている」と述べた。これを受けてキューバのブルーノ・ロドリゲス外相は、「キューバには、そのような意見を尊重する政治姿勢がある」と応じていた。

▽法王はサンティアゴ市内のアントニオ・マセオ革命広場でのミサ、キューバの守護聖母コブレを祭る大聖堂でのミサ、ハバナの革命広場でのミサなどをし、28日ローマへの帰途に就く予定。

▼聖母コブレは、今年が「出現400周年」で、法王はこれに因んでキューバを訪れた。法王はハバナで、フィデル・カストロ前議長との会談を希望している。