2012年6月14日木曜日

アルゼンチン対英敗戦30周年

▼▽▼亜英マルビーナス(フォークランド)戦争(1982年4月2日~同年6月14日)の、アルゼンチン敗戦による終戦から6月14日で満30年が過ぎた。戦争では亜国人650人、英国人255人が死んだ。

▽亜国のクリスティーナ・フェルナンデス=デ・キルチネル(CFK)大統領はこの日、国連本部で開かれる非植民地委員会に出席し、マルビーナス諸島の主権奪回を目指す歴史的正統性と、そのための対英話し合いの要求をあらためて主張する。

▼一方、フォークランド諸島の首都ポートスタンリーでは12日、諸島議会代表が、諸島帰属国選択に関する島民意思を確認するための住民投票を来年前半に実施する、と発表した。デイヴィド・キャメロン英首相はロンドンで直ちに、諸島議会の決定を支持すると表明した。

▽私は、この戦争を開戦直後からブエノスアイレスで取材した。戦場と、亜国軍の発進基地のあったパタゴニア地方の取材が許されなかったからだ。敗戦の記事も、同市で書いた。

▼この戦争に敢えて評価できる面があるとすれば、亜国軍の敗北で軍部の権勢が地に落ち、1930年から半世紀にわたって政治に干渉した軍部が政権を投げ出し、今日まで30年も文民政権が続いていることだ。

▽もう一つは、当時のレーガン米政権がサッチャー英政権支持に回り、「米州の一国が域外の国から攻撃された場合、米州全体で防衛する」という条項を持つ「米州相互援助条約」(TIAR、1947年調印)が完全に有名無実になったことだ。(米国はラ米諸国をさんざん軍事侵略し、米州の内なる侵略国に成り下がっていた。TIARは当初から無意味な存在だった。)