2012年9月26日水曜日

ブラジル真実委員会が「コンドル作戦」調査へ


★☆★☆★ブラジル政府官報は9月25日、国家真実委員会(CNV、委員7人)が軍政時代を中心とする国家による人道犯罪を、「コンドル作戦」を含め調査する、と発表した。調査結果は、1914年末までにまとめられる。

CNVは、そのための調査委員会を設置する。委員長には、CNV委員である人権派弁護士ロザ・カルドーゾ=クーニャが就任する。他にジャーナリスト、歴史学者、弁護士の各1人が委員となる。

★「コンドル作戦」は一種の<暗殺同盟>で、1975年、CIAの仲介でチリの首都サンティアゴで策定された。チリ、ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ、ボリビアの南米6カ国軍政が加盟した。6ケ国内で、反軍政派市民を相互に逮捕、拉致、拷問、身柄引き渡し、暗殺するのが目的だった。

★だが、CNV筋によると、ブラジル軍政は1970年に逸早く同種の作戦を実行していた。それを示す文書があり、80年までの10年間に、公表されている数字よりもはるかに多い犠牲者が出ている、という。

★ブラジルの元大統領ジョアン・ゴラールは1976年、亡命先のアルゼンチンで死亡したが、これは「コンドル作戦」による暗殺だった事実が判明している。CNVの調査委員会は、ゴラール暗殺事件も解明する。

★ボリビアのフアン=ホセ・トーレス元軍政大統領や、チリのカルロス・プラッツ元陸軍司令官もアルゼンチンで暗殺されている。