2012年11月5日月曜日

プエルト・リーコで主権の在り方問う住民投票


▼▽▼米大統領選挙の実施される11月6日、カリブ海アンティージャス諸島にある「自由連合州(ELA)」という名の米植民地プエルト・リーコ(PR)で、州知事選と併せて、将来の島の主権の在り方を決める住民投票が行なわれる。

▼島の人口は370万人、有権者は240万人。1998年までの過去3回の住民投票では、いずれもELAとしての現状維持が過半数を占めた。

▼投票は、2つの設問について行なわれる。第1問は、現状維持の賛否を問う。第2問は、現状維持でない場合の主権の在り方として、完全独立、自由連合主権(LAS)国家としての独立、米国併合(PR州化)の3つの選択肢から1つを選ぶ。

▼第1問で現状維持反対が過半数を占めた場合、第2問の回答が生きてくる。

▼現状維持は民主人民党(PPD、最大野党)、完全独立はPR独立党(PIP)、LAS国家は自由連合主権同盟(ALAS)、対米併合は新進歩党(PNP、現政権党)が、それぞれ主張している。

▼最新の世論調査では、現状維持が51%、現状維持否定が39%。否定の場合、対米併合44%、LAS国家42%、完全独立4%。

▼この調査結果は、「米国から離れれば経済が成り立たなくなる。だが島の認同(アイデンティティー)は守りたい」という、従来の多数派の立場が依然変わっていないことを示している。

▼米国は1898年、キューバの対スペイン独立戦争に介入し<米西戦争>化し、勝ってPR、フィリピン諸島などを奪取し、キューバに名目的独立を与えて属領化した。1952年、米国はPRに自治権利を認め、ELAとした。

▼キューバは1959年元日の革命で米国の権益を排除し、実質的独立を果たした。キューバは以後、国連などでPR独立運動を展開してきた。