2012年12月29日土曜日

チリ法廷がビクトル・ハラ殺害容疑者を手配


★☆★チリ法廷は12月28日、著名な歌手ビクトル・ハラを拷問し殺害した退役軍人8人の逮捕を命じた。ハラは、ピノチェー将軍率いる軍部による1973年9月11日のクーデター直後の16日、首都サンティアゴの国立競技場で殺された。

★手配されたのは主犯格のウーゴ・サンチェス元大佐、ペドロ・バリエントス元中尉ら。この両容疑者は米国に居住しており、国際刑事警察機構を通じて手配された。

★ハラは、バリエントスから頭部に1発撃ち込まれ即死状態になったが、直後に43発の銃弾を浴びせられた。遺体は、市内の墓地に近い荒れ地に放置された。

★これまでに逮捕されたのは、現場にいて、上官の命令によりハラの体に銃弾を撃ち込んだ元新兵1人だけ。この元新兵の証言が捜査を進展させた。

★ハラは、ラ米の「新しい音楽」の旗頭の一人だった。クーデターで崩壊したアジェンデ社会主義政権やチリ共産党に近かったことから軍部の恨みを買い、殺害された。41歳の誕生日まであと12日という日に殺された。

★国立競技場は民政移管後、「ビクトル・ハラ競技場」と改名された。墓地は、死の外れの一般墓地内の団地墓にある。ギターを手にした支持者たちの墓参りが今も絶えない。