2013年3月28日木曜日

BRICSが開発銀行設置を決める


 BRICS(ブリックス=ブラジル、ロシア、インド、中国、南ア)は3月26、27両日、南アのダーバンで第5回首脳会議を開き、開発銀行の設置を決めた。「欧米の影響力が強すぎる」国際通貨基金(IMF)や世界銀行(世銀)の役割を補完ないし代替する機能を持つ。本部の場所や、5カ国別の出資額は未定。

 この開発銀行は5カ国および発展途上諸国を融資対象とする。特にアフリカの開発と工業化が重視されるもよう。

 5カ国は昨年の首脳会議で、総額1000億ドルの外貨準備基金の開設方針を決めたが、今会議で結論は出なかった。

 国際政治面で5カ国は、イラン問題の交渉によらない打開策に反対し、イランへの軍事介入および一方的制裁の可能性への懸念を表明した。シリア情勢については、治安と人権状況の後退に警鐘を鳴らすとともに、さらなる軍事化に反対し、当事者間の対話を要請した。

 ブリックス5カ国は2012年、世界のGDP総額の21%、人口の42%、労働力の45%を占めた。域内貿易は2820億ドルに及んだ。今会議中、ブラジルと中国は300億ドルの範囲で向こう3年間、自国通貨で輸出入する協定を結んだ。

 次回の第6回首脳会議は、来年ブラジルで開かれる。