2013年4月10日水曜日

メキシコ大統領が国連大学で講演


 来日中のエンリケ・ペニャ=ニエト(EPN)メキシコ大統領は4月9日夕、東京・青山の国連大学で、「世界の中のメキシコ:全球的責任を伴った当事者」と題して20分間講演した。

 まずEPN政権の5大優先政策として、①メキシコ国内の平和と静寂の回復②貧困をなくし社会参加を促進③教育の質の向上④経済的繁栄の実現⑤外交責任――を挙げた。

 次いで⑤の「外交」について、①国際社会におけるメキシコの存在強化②諸国との協力関係拡大③メキシコの持つ文化・歴史・芸術・光景・経済などの価値を広める④国益を高める――の「4本柱」を並べて説明した。

 地域別には、北米重視、ラ米・カリブ(LAC)との統合過程強化、欧州との協力強化、アジア・太平洋への接近強化、中東との関係強化、国連やG20など多国間機関との関係重視――を打ち出した。メキシコの「全方位外交」の始まりとして注目されるが、アフリカへの言及はなかった。

 対日関係では、05年に経済連携協定(EPA)が発効してから関係が大きく膨らんだと指摘し、日本のTPP参加支持を確認した。非核、国際組織犯罪対策強化などで協力するとし、戦略的互恵関係を堅固にしていくと強調した。

 会場は、メキシコ人随行記者団、駐日外交団、在日メキシコ人らで占められた。

【司会者は、外交団とメキシコ人だけに質問させ、私を含む日本人には質問の機会が与えられなかった。日本での質問機会に日本人に質問させないのは理解しがたいことだ。】