2013年4月9日火曜日

パブロ・ネルーダの遺体を発掘、毒物鑑定へ


 チリ司法省法医学局は4月8日、詩人パブロ・ネルーダの遺体をイズラ・ネグラの旧邸宅の庭の墓地から発掘した。軍事クーデター直後の1973年9月23日首都サンティアゴの病院で死亡したネルーダは毒殺された可能性があり、毒物や毒物注入の痕跡の有無を調べるため発掘された。遺体は首都にある法医学局に運ばれた。

 法医学局によると、鑑定には3カ月はかかる見通し。生体組織鑑定のカルテがないため、毒物の痕跡を特定するには極めて複雑な作業が必要だとしている。遺体は、死後40年近く経っている割には、良い状態だという。

 毒殺説を主張する人々は、ピノチェー軍政は、クーデターのさなかに死んだサルバドール・アジェンデ大統領についで国際的知名度の高かったネルーダと、歌手ビクトル・ハラを生かしておきたくなかったため殺害した、と見ている。ハラは、陸軍兵士らに捕えられ拷問された後、射殺された。

 旧邸宅は、サンティアゴの外港バルパライソの南方約100kmの太平洋岸にある。ネルーダの棺は、マティルデ夫人の棺と並べて埋められていた。