2013年5月9日木曜日

ボリビア大統領がG77会議で資源国有化を呼び掛け


 ボリビアのエボ・モラレス大統領は5月7日、フィジーのナタドーラで開かれた第1回G77「南」卓越者高級会議に主賓として出席、演説し、南南協力強化を呼び掛けた。

 大統領は、06年5月1日に石油・天然ガス資源を国有化したことについて、「それまでの石油・ガス開発による国庫収入は年間3億ドル程度だったが、国有化後増え続け、2012年には40億ドルに達した。今年は50億ドルになる見込みだ」、「外貨準備も大統領就任時の17億ドルから140億ドルに増えた」と強調した。そのうえで、「資源を社会・経済開発に有効に使うため国有化すべきだ」と訴えた。

 エボは開発モデルに触れて、「南北には発展段階の違いがある。南は、貧困市民の逼迫状況に対応できるモデルを採用すべきだ」、「水、エネルギー、電気通信は基本的人権だ」と説いた。

 さらに太平洋におけるマグロ資源の乱開発を槍玉に挙げて、「太平洋諸国は団結して、マグロ資源の搾取を止めさせねばならない」と指摘した。

 大統領は米国による介入政策の存在を示唆しつつ、「北方からの干渉を排除せねばならない」と強調した。

 ボリビアは太平洋岸領土をチリに奪われて134年経つが、最近、「海への出口」問題解決のための交渉をするようチリに命じる国際司法裁判所の裁定を勝ち取った。太平洋の奥深くにあるフィジーの国際会議への大統領の出席は、海岸領土回復への執念の表れである。