2013年7月24日水曜日

死因調査中の「パブロ・ネルーダの遺骨」をDNA鑑定へ


 チリのノーベル文学賞詩人パブロ・ネルーダ(1904~73)の死因を調べているマリオ・カローサ判事は7月23日、調査中の遺骨がネルーダ本人のものか否かをDNA鑑定で確認するよう、法務省法医学局に命じた。

 同法医学局は4月、イズラ・ネグラの旧ネルーダ邸庭の墓地から「ネルーダの遺骨」を発掘した。現在、米・北カロライナ大学と、西ムルシア大学で遺骨を分析している。

 ネルーダの死因は死亡当時、「前立腺末期癌」と発表された。だが去年、ネルーダの元運転手が「軍政による独殺」説を打ち出し、それが認められて遺骨発掘調査となった。

 しかし発掘された遺骨がネルーダのものでないとすれば、調査は無意味となる。ネルーダの遺体は、軍政によって数回埋葬場所を変えられたため、遺体すり替えの機会があった。このため、ネルーダが所属していたチリ共産党などが遺体のDNA鑑定を求めていた。