2014年7月1日火曜日

クーバ・米国関係に雪解けのかすかな兆し

 米国とクーバは革命後、関係が悪化し、1961年1月以来53年余り国交はない。だが今、両国関係にかすかな雪解けの兆しが見え始めている。

 ウルグアイのホセ・ムヒーカ大統領は5月12日ワシントンでバラク・オバーマ大統領と会談したが、その折、オバーマは2点について、ラウール・カストロ玖議長に伝えるよう託した。

 一点は、クーバでスパイ罪により禁錮刑に服している米国人アラン・グロスの釈放。もう一点は、クーバが経済改革に加え政治改革すれば、米国および国際社会から評価されるということ。

 グロスについては、クーバはスパイ罪で米国内で長期刑に服しているクーバ人元諜報員3人の解放と引き換えにすることを提案してきた。だが米国は拒否している。

 ムヒーカはオバーマの言葉を、6月半ばボリビアで開かれた国連77カ国グループ(G77)首脳会議でラウールに伝えた。ムヒーカによると、オバーマは「私には2年しか残されていない」と言い、残りの任期中に米玖関係正常化を促進したい考えを示した。

 ムヒーカは、「オバーマにとって対玖関係改善のため動く機は熟しているようだ」と語っている。

 しかし、マイアミを中心に居住する在米クーバ系人の40%は依然、対玖関係改善に反対ないし消極的とされる。また反カストロ派の玖系極右国会(連邦議会)議員らによる、関係改善阻止のロビー活動も効果が衰えていない。

 大統領選挙と国会議員選挙が2年ごとに交互に来る米国では、選挙民の動向を気にするあまり、政策が細切れになることが少なくない。対玖関係改善はまさに、選挙制度の犠牲になってきた、と言える。