2014年12月19日金曜日

チレ政界でボリビアとの国交回復論議出る

 チレ政権党連合の中心政党の一つキリスト教民主党(PDC)のイグナシオ・ウォーカー党首は12月18日、エラルド・ムニョス外相に、国交が断絶して久しいボリビアとの外交関係を再開してはどうかと提案した。玖米両国が17日、国交正常化で合意したのを受けた発想だ。

 これに対し外相は、発案としては聞いておくが、外交は大統領の専権事項であるため提案としては受け入れられないと応じた。

 旧ボリビア軍政のウーゴ・バンセル大統領は、太平洋岸領土回復交渉がこじれたため1978年、当時のピノチェー・チレ軍政と
断交した。以来、領事・通商関係しかない。

 現在のモラレス・ボリビア政権は「海への出口奪回」を国策の前面に押し出し、国際司法裁判所に裁定を仰いでいる。

 ボリビアはペルーとともに、チレ相手に戦った1879年の太平洋戦争に敗れ、海岸領土を失った。今日のチレ・アントファガスタ州である。戦争を仕掛けたのは、錫採掘採掘条件をめぐるボリビアとの抗争を経て出兵したチレだった。