2015年1月29日木曜日

ラウール議長がCELAC首脳会議でグアンタナモ返還を要求

 「米州の南」ラ米およびカリブの計33カ国が加盟するラ米・カリブ諸国共同体(CELAC)の第3回首脳会議が1月28日、コスタ・リカ(CR)首都サンホセ西方郊外15kmのベレーンで始まった。会議議長のルイス=ギジェルモ・ソリースCR大統領は開会演説で、地域統合の理想実現を訴えた。

 今会議の花形は最長老のラウール・カストロ玖国家評議会議長(83)。対玖国交正常化合意が中心議題の一つとなっている。ラウールは演説で、「復交は正常化過程の始まりだが、経済封鎖が終わらない限り正常化派不可能だ」と強調した。

 さらに、米政府による「テロ支援国家」指定解除、米占領地グアンタナモ基地の返還、移民規定改革、反玖放送打ち切り、米国による対玖破壊活動による損害への賠償も正常化のため必要だと指摘した。

 ラウールは、CELACによる反封鎖への支持に感謝し、4月パナマ開催の米州首脳会議への出席を確認した。

 今会議の主要議題は貧困対策。今年のラ米・カリブ地域の経済成長予測は2・2%。貧困率は2002年48%、昨年は域内人口6億人で28%だった。ブラジルのヂウマ・ルセフ大統領は、2025年までに飢餓を無くそうという国連食糧農業機関(FAO)の計画をCELACが採り入れたことを讃えた。

 ニカラグアのダニエル・オルテガ大統領は、米支配下にあるプエルト・リコ(PR)の独立を支持した。オルテガは持ち時間の一部を、PR独立党のルベーン・バリオス党首に与え、同党首はPRの「ラ米・カリブ性」を強調した。

 コロンビアのフアン=マヌエル・サントス大統領は、ハバナで続けられている政府とコロンビア革命軍(FARC)の和平交渉に関し、支援国家であるクーバ、ベネスエラ、チレに謝意を表した。

 ベネスエラのニコラース・マドウーロ大統領は、ラ米の大統領経験者数人が最近カラカスでの反政府派行事に参加したことについて、ゴルペ(クーデター)を画策している右翼勢力にラ米諸国の要人が加担するなどということがあっていいものか、と訴えた。(同国のディオスダード・カベージョ国会議長は28日カラカスで、自身と麻薬組織との関係を報じたスペイン紙ABCおよびベネスエラメディアを名誉棄損で訴えると述べた。)

 今首脳会議には大統領・議長・首相が出席しているが、亜国、メヒコ、ペルー、パラグアイの大統領は欠席した。会議は29日「サンホセ宣言」を採択して閉会する。輪番制議長国はエクアド-ルに移る。