2015年7月10日金曜日

法王フランシスコが先住民族に対する教会の罪を謝罪

 ローマ法王フランシスコは7月8日、ラパスのボリビア政庁でエボ・モラレス大統領と会談、大統領から槌と鎌の形をした十字架にキリストが磔られている木製の磔刑像を贈られた。

 これは1980年3月21日ボリビア軍部に拷問され殺害されたスペイン人のイエズス会士ルイス・エスピナルの作品。

 モラレスは、エスピナルは人民解放のために闘ったとし、同じ闘いを展開する人に贈られてしかるべきだと説明し、法王に渡した。

 大統領はこの日の法王歓迎式典で、酸素の薄い高地が法王の健康に影響するのに配慮し、予定していた15分間の演説を5分間に縮めた。その演説で、資本主義、帝国主義、軍部独裁を激しく糾弾し、それらとの闘いを続けると強調した。

 法王は9日、東部の低地の大都市サンタクルースで大規模なミサを挙行。「いわゆる新世界征服期に教会が犯した咎のみならず、先住民族に対して犯した罪を謝罪する」と詫びた。かつてヨハネ=パウロⅡ世法王も謝罪している。

 法王はさらに、「ラ米全体の、あるいは人類の問題は現状では解決できず、構造的改革が必要だ」と指摘。「自由貿易とか緊縮財政とかの言い分で労働者や貧者を苦しめる条約などを通じての新植民地主義、金権主義」を警告した。