2015年9月20日日曜日

キューバ議長が法王歓迎演説で社会主義堅持を強調

 クーバのラウール・カストロ国家評議会議長は9月19日、ハバナに到着したフランシスコ法王を前に演説した。要旨は次の通り。

 革命勝利後、我々は多大な努力を払い、最大の危険を背負いつつ、公平で堅固な社会を建設するため邁進してきた。それゆえに我々は封鎖、中傷、攻撃され、大きな人的損出と経済困難に見舞われた。

 我々は、文化豊かで伝統に根ざし、クーバ、ラ米、カリブ、世界の最も進歩的な思想をもって、平等かつ正義ある社会を建設した。

 クーバ人保健・医療労働者延べ32万5710人が158カ国で活動してきた。これにより何百万人もの人々が健康を取り戻した。現在は68カ国で5万281人が活動している。

 クーバ指導の識字教育運動により、30カ国の計937万6000人が読み書きできるようになった。外国人学生6万8000人がクーバに留学し、卒業した。

 我々は、発展し持続できる社会主義建設のため、経済・社会の現代化モデルを進めてきた。それは、人間的、家族的、参加自由な、民主的、自覚した、創造的なもので、特に若者たちを意識している。

 社会主義堅持は、国の独立、主権、発展、福利を維持するためだ。我々は意志堅固に、あらゆる挑戦に直面しつつ、徳と正義、倫理と精神的価値のある社会を建設してゆく。

 2014年1月ハバナで開かれたラ米・カリブ諸国共同体(CELAC)の第2回首脳会議は、ラ米・カリブを「平和地域」とすることを宣言した。広島・長崎原爆投下70周年に際し、核軍縮を訴える。

 法王の玖米対話支援に感謝する。国交再開は関係正常化の第一歩にすぎない。経済封鎖は残酷、背徳、違法であり、終焉しなければならない。不法占拠されてきたグアンタナモ領土はクーバに返還されねばならない。

 クーバとヴァティカンの国交80周年に際し、関係が今後も相互尊重精神で発展してゆくのを願う。クーバ憲法は信仰の自由を謳っている。法王来訪を最大限に歓迎する。