2015年9月4日金曜日

グアテマラ新政権発足、辞任した前大統領は出廷

 グアテマラ国会は9月3日、アレハンドロ・マルドナード副大統領を暫定大統領に昇格させた。オットー・ペレス=モリーナ(OPM)大統領が2日夜、辞表を提出したのを受け、国会は臨時本会議を開き、これを了承し、暫定大統領を決めた。

 判事出身のマルドナードは就任後直ちに、全閣僚に辞任するよう求めた。新大統領は、OPM前大統領の来年1月14日までの残り任期を務める。OPMは逮捕され、予審にかけられた。

 前大統領が主犯格の税関汚職事件の担当判事ミゲル=アンヘル・ガルベスは3日、OPMの身柄を首都グアテマラ市内にある軍刑務所に予備拘禁する処置をとった。OPMが国外逃亡する可能性があるためという。OPMは3日始まった予審の後、収監された。

 OPMの予審初聴訴で、検察は犯罪関与、税関詐欺、収賄の三つの罪状を挙げた。聴訴は4日続開する。

 OPMの辞任と予審開始で、4月以来、辞任要求行動を続けていた有権者市民は溜飲を下げ、関心は6日に迫った次期大統領選挙に移った。

 14人が出馬しているが、世論調査によれば、俳優、テレビキャスターなどを務めてきた右翼ジミー・モラレス(46、国民結集戦線FCN)25%、保守・右翼の実業家マヌエル・バルディソーン(45、改進民主自由党LIDER)23%、中道進歩主義のサンドラ・トーレス(59、希望国民団結UNE)18%。他の11人は10%未満。

 このため3候補の争いとなり、モラレスとバルデソーンが10月25日の決選に進出する公算が大きいと見られている。

 トーレスは、OPMの前の大統領アルバロ・コロムの夫人だったが、前回選挙に出馬するため離婚した。だが出馬を認められなかった。

 バルディソーンは前回、OPMに決選で敗れた。麻薬資金調達などの嫌疑がかけられている。モラレスは貧困層出身で、貧困大衆層に人気がある。