2015年12月27日日曜日

メキシコ43学生強制失踪事件から15カ月、家族らが抗議の巡礼

 メヒコ・ゲレロ州イグアラ市で教諭養成学校生43人が市警らによって強制失踪させられた事件発生から12月26日で15カ月経った。この日、学生の遺族・家族、学友、教員ら300人は首都大聖堂からグアダルーペ大寺院まで巡礼し、学生らの生還と真相解明を政府に要求した。(43人のうちの2人は、発見された遺骨のDNA鑑定で殺害されたことが判明している。)

 事件解明の鍵を握るのは、イグアラ市駐屯の第27陸軍大隊だが、年明けに同大隊が捜査に応じるかどうかに関心が集まっている。陸軍は国軍であり、同大隊の事件関与が明らかになれば、大統領責任が追及されることになる。

 一方、モレリア州都ミチョアカンでは26日、地元の教諭養成学校生30人の釈放を要求する抗議行進が実施された。同30人は12月7日、教育改革などを求めて自動車道を行進、警察機動隊と衝突した。その際、携行していた「模疑手榴弾」を投げたため、武器密造容疑をかけられ、女子学生22人を含む52人が逮捕された。

 その後、20人が釈放されたが、30人はソノラ州エルモシージョ市の刑務所に収監され、取り調べを受けている。

 抗議行進に参加した家族、教員らは、「偽りの容疑をかけられ拘禁されている」と主張、早期釈放を訴えた。また、イグアラ市で強制失踪に遭った学生43人の生還を訴え、家族らへの連帯を表明した。