2015年12月14日月曜日

ボリビア大統領が改憲国民投票目指し集票運動開始

 ボリビアのエボ・モラレス大統領は12月13日、憲法上の首都であるチュキサカ州都スクレのアニセト・アルセ広場で国民投票を勝利に導くための集票運動を開始した。(政治首都はラパス)

 この国民投票は、憲法の大統領再選規定を改正し、2019年の次期大統領選挙にエボが4選をかけ出馬するのを可能にするたものもので、改憲の是非を問う。

 エボは、ボリビア独立200周年の2025年までの政策綱領を策定しているとして、「だからこそ2019年選挙出馬を目指すのだ」と表明した。

 政権党「社会主義運動」(MAS)は、国民投票での賛成票60%強の獲得を狙っている。

 南米では、アルヘンティーナで12月10日、保守・右翼、新自由主義路線のマウリシオ・マクリ大統領が就任。ベネスエラで12月6日実施された国会議員選挙では保守・右翼野党連合MUDが3分の2の絶対多数を獲得、チャベス主義のマドゥーロ左翼政権は窮地に陥った。ブラジル中道左翼のヂウマ・ルセフ大統領も弾劾される可能性のある苦境に追い込まれている。

 21世紀第2・十年期(2010年代)後半のラ米の潮流は右旋回が顕著になったのだ。ラ米・南米左翼路線の維持・延命の使命は、エボと、エクアドール(赤道国)のラファエル・コレア大統領の肩にかかっており、特にエボに重くのしかかっている。

 エボは10日のマクリ大統領就任式に出席し、11日初会談に臨んだ。隣国同士ゆえ、善隣関係を壊すわけにはいかない。

 ボリビア国民投票は来年2月21日実施される。今年9月、国際司法裁判所は、1879年の太平洋戦争でチレに奪われた太平洋岸領土の回復を求めるボリビアの訴えを受けて審理開始を決めた。この裁定はエボ政権継続に有利に作用すると見られている。