2015年12月21日月曜日

メルコスール首脳会議にベネズエラ大統領欠席へ

 南米の関税同盟・南部共同市場(メルコスール)は12月20日、パラグアイのアスンシオンで外相・経済担当相会議を開き、21日の第49回メルコスール首脳会議で採択される最終宣言の草案を策定した。

 会議の議長を務めたパラグアイのアラディオ・ロイサガ外相は、ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は内政にかかりきりのため首脳会議に出席せず、デルシー・ロドリゲス外相が代行する、と明らかにした。

 マドゥーロ欠席は、亜国で今月10日就任した保守・右翼路線のマウリシオ・マクリ大統領が、就任前に「ベネスエラ民主主義の欠陥」を指摘し、メルコスールの「民主条項」適用を唱えていたことと無関係ではない。これに対しマドゥーロは、マクリを「極右主義者」と扱き下ろしていた。

 同条項が適用されると、メルコスール加盟資格が停止されることになる。過去に、「国会クーデター」でフェルナンド・ルーゴ大統領を不当に弾劾したパラグアイが資格停止に遭ったことがある。

 だがマクリ政権はその後、メルコス-ル首脳会議で民主条項適用を提案することはないと表明した。この首脳会議はマクリにとり最初の多国間外交の舞台となり、しかもそれは地元の南米南部中心の機構であり、会議をぶち壊すのを控えたものと受け止められている。また、マクリのような右翼路線は少数派だからだ。

 ロドリゲス・ベネスエラ外相は20日の会議で、メルコスールと、米州ボリバリアーナ同盟(ALBA)、およびカリブ共同体(カリコム)との広域経済圏結成を呼び掛けた。

 首脳会議には、ベネスエラ以外のパラグアイ、ブラジル、亜国、ウルグアイの加盟4カ国、加盟手続き中のボリビア、協賛国チレの計6カ国大統領と、ベネスエラ外相が出席する。