2015年12月30日水曜日

ベネズエラ大統領が「直接民主主義」強化戦略を打ち出す

 ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は12月29日、国営テレビを通じ演説、6日の国会議員選挙での政権党惨敗を受けて、「政府は革命の修正・再活性化」を図ると強調した。「人民は怪物を見た」とMUD圧勝に触れ、「人民の反逆と覚醒を促す」と述べた。

 大統領は、「汝は人民か、それとも寡頭勢力?」と問い掛け、「彼ら(MUD)に投票することは過去への回帰を意味する」と、改めて警告した。
 
 さらに、「人民が権力に参加する直接民主主義促進のため、労農など広範な市民層および政権党が支配する州・市などで結成する<祖国大会議(GCP)を年明けに招集する」と明らかにした。

 この日、「大統領理事会」設置の政令が出されたが、これも人民参加強化を狙いとしている。国会で112議席の絶対多数を奪われた政府としては、人民動員による国会外での「直接民主主義」でMUDに対抗する戦略だ。

 最高裁選挙法廷は29日、MUD議員8人の当選に異議を申し立てる政権党からの訴えを受理したと発表した。審理の結果、異議が認められれば、8人の当選は無効となり、再選挙が実施される。

 MUDは、勝ち得た絶対多数を切り崩す陰謀だ、激しく反発している。