2016年1月15日金曜日

グアテマラ大統領ジミー・モラレスが就任

 グアテマラで1月14日、喜劇俳優だったジミー・モラレス=カブレラ(46)が大統領に就任した。任期は2020年1月までの4年間。副大統領ジャセフ・カブレラも就任した。

 モラレスは2011年、ミスコ市長選挙に、当時存続していた右翼政党ADN(国家開発行動)から出馬し、落選した。だが政界進出への意欲は衰えず、昨年9月6日の大統領選挙で「国民結集戦線」(FCN)から出馬、時流に乗って得票第1位となり、10月25日の決選で、元大統領夫人サンドラ・トーレス候補に圧勝して当選した。

 その時流とは、昨年9月初め大統領辞任に追い込まれたオットー・ペレス=モリーナ(退役将軍)をはじめ政府高官多数が関与した大規模な税関汚職事件の摘発で、反腐敗機運と伝統的政治家への不信が最大限に高まっていたこと。政治経験はないが人気は高い喜劇俳優は、右翼であっても、有権者の目に新鮮に映った。

 だが、税関汚職事件で摘発されなかったり排除されなかったりした利権勢力は、政治の素人だが右翼体質のモラレスににじり寄ってきた。内戦期に人道犯罪に深く関与した退役軍人たちの協会もその一つで、新しい政権党FCNの支持基盤となっている。

 今年1月に入ってから人道犯罪容疑で退役軍人18人が逮捕され、FCN結党者でモラレスの側近の国会議員一人にも逮捕命令が出された。これは米政府が、モラレスに政権を渡したアレハンドロ・マルドナード前暫定大統領に働きかけて打った新政権への強い警告措置を受け止められている。

 就任式は、首都グアテマラ市内の「ミゲル=アンヘル・アストゥリアス文化セントロ」にある国立劇場を臨時の国会として挙行された。市内では多数の市民による抗議デモが実施された。有権者による最初の「モラレス政治」への危惧表明だった。

 就任式にはエクアドール、エル・サルバドール、オンドゥーラス、コスタ・リカ、ドミニカ共和国の5カ国大統領、ベリーズ首相、米、ベネスエラ、ニカラグアの3カ国副大統領、クーバ副議長、スペイン前国王、パナマ大統領府相らが出席した。

 際立ったのは米副統領ジョセフ・バイデンで、モラレス新政権に反腐敗や麻薬取締りの公約を遵守するよう圧力をかける狙いからも出席したと解釈されている。

 モラレスは就任演説で、反腐敗闘争、飢餓一掃、教育拡充、組織犯罪・麻薬取締りなどの重点政策を打ち出した。危なっかしい新政権がついに船出、荒海に乗り出した。

 (モラレスは15日、国軍最高司令官就任に際し国軍司令部で演説、軍人に憲政の番人、平和部隊であれと呼び掛け、工兵隊としても道路8000kmの修復に従事するよう要請した。)