2016年1月26日火曜日

大混乱のハイチで野党勢力が暫定政権樹立を提唱

 大統領選挙決選(1月24日予定)が無期限延期となったアイチ(ハイチ)では、25日も首都ポルトープランスで政権党と野党勢力がそれぞれ支持者を動員して抗議や威嚇の行動を続行、不穏な空気が立ち込めた。過去数日間の暴動などで5人が死亡している。

 諸野党で構成する「G8」は25日声明を発表、ミシェル・マルテリ現大統領の任期が終わる2月7日、マルテリでなく最高裁長官ジュール・カンタヴを臨時大統領とする暫定政権の樹立を呼び掛けた。

 暫定政権の期間は半年で、その間に報道機関協会、人権擁護協会、アイチ国立大学などの代表で構成される独立機関が、ちょうど3カ月前の昨年10月25日実施された大統領選挙第1回投票時の組織的な不正を究明する。さらに暫定政権は、やり直し選挙実施に備え、30日以内に、公正な選挙実施の規則を策定する。

 暫定大統領はまた、首相を任命する。暫定政府は、農民、教員、警官を含む低所得者を優遇する。選管を刷新する。

 これに対し政権党は、決選の早期実施のため日程決定を要求している。2004年に改革派大統領ジャンベルトゥラン・アリスティドを米仏加3国が謀って追放する契機となった武力蜂起の指導者ギ・フィリップら元軍人集団も政権党支持に回った。

 フィリップらはCIAと組んでドミニカ共和国国境地帯から武闘を仕掛け、アリスティドを追い詰めた。

 国際社会はアイチに対し、暴力を止め、選挙日程策定を求めている。だが野党勢力は、不正に始まる選挙の決選は認めないとの立場だ。

 キトで27日開かれる第4回ラ米・カリブ諸国共同体(CELAC)首脳会議は、アイチ問題を急遽、主要議題に加えた。