2016年2月11日木曜日

ベネズエラとイランが経済協力関係活性化で合意

 ベネスエラのルイス・サラス経済担当副大統領は2月1日、イランのムスタファー・アラエイ駐ベネスエラ大使と会談し、両国間でこれまでに結ばれた協力協定をすべて見直し、特に経済分野での協力関係を実体化させることで合意した。薬品、原料、トラクター、耕作用機械の分野が特に重視されている。

 イラン大使は、ベネスエラの「生産経済」の開発を支援する、と述べた。イランは核開発問題が先ごろ解決し、経済制裁が解除され、他国に経済協力する余裕が出てきた。観光や油化も協力対象になる、と大使は指摘している。

 故ウーゴ・チャベス大統領とマハームド・アハマディネジャド前大統領の時代に両国関係は緊密化した。だが両首脳が去ったことや、ベネスエラの経済難、イランへの経済制裁が重なって、両国関係は勢いが失われていた。

 米国との関係が冷却しているベネスエラには、中国から原油と引き換えに資金が来るだけで、ベネスエラは財政が極めて厳しい。イランとの旧交を暖めたくなったのも不思議はない。

 両国が加盟する石油輸出国機構(OPEC)は1月、日量3233万バレルの原油を生産した。昨年12月より13万バレル増えている。目安の3000万バレルよりも233万バレルも多い。

 OPEC加盟国の中で、サウディアラビア、イラン、イラク、ナイジェリアが増産、ベネスエラ、アルジェリア、アンゴラは減産と、生産政策が二つに分かれている。

 今年のカルナバルは9日大方終わり、10日は「灰の水曜日」で、この日から40日間の四旬節が始まった。3月23日の「聖水曜日」からは復活祭だ。ベネスエラ政府は10日、全国で節電政策を始めた。

 電力の大口消費店舗には毎週月~金曜日、1500~1900の4時間しか配電しない。他の時間帯は自家発電するよう促している。ところが、自家発電設備を持つ店舗は、わずか1%にすぎない。

 多くの店舗は、自家発電装置がないため、営業日は毎日1300~1500と1900~2100店を閉め、1日4時間営業にせざるを得ないと表明している。カラカスや各地の商業会議所は、商業が大打撃を受けると批判している。

 原因は異常渇水で、シモン・ボリーバルなど2カ所のダムの水位が平常より8mも下がっていること。電力省は、節電は3カ月続く可能性があると見ている。

 ベネスエラは世界有数の産油国だが、火力発電でなく水力発電が主流。大河オリノコ水系や熱帯雨林があって、水量が豊かなためだが、異常気象で緊急事態となった。2013年にも同様の節電が実施された。