2016年2月24日水曜日

ボリビア国民投票でモラレス大統領が僅差で敗北

 ボリビア選管は2月23日夜、21日実施のモラレス4選をかけた国民投票でエボ・モラレス大統領が敗れたことを明らかにした。開票率99・72%、改憲賛成48・69%、反対51・31%で、2・62ポイントの僅差で改憲反対派が勝利した。

 モラレス大統領は、出口調査で反対が優勢な趨勢を明確に示していた段階で、先住民票、農村票、在外票の開票を待つと言い、逆転勝利に期待をかけていた。確かに差は縮まったが、賛成が反対を上回ることはなかった。

 モラレスは24日、敗北を認めながらも、「反対派による汚いキャンペーンがあった」と糾弾した。

   これでモラレスは、2019年実施の次期大統領選挙に出馬できないことになった。現任期は2020年1月までであり、モラレスはいったん、政権を離れなければならなくなった。

 モラレス政権下で制定された現行憲法は、連続2選までしか認めていない。モラレスは2005年、旧憲法下で当選し06年1月就任。その後、新憲法を制定、その下で2選を遂げた。今回、改憲によって3選を目指したが、既に10年政権にあり、飽きられていたことは否めない。

 野党幹部の一人、カルロス・メサ元暫定大統領は国民投票結果を受けて、「絶対不可欠な大義はあっても、余人をもって代えがたい人物はいない。そのことが証明された」と述べた。

 南米では昨年末以来、右傾化が顕著だ。アルヘンティーナにマクリ右翼政権が誕生。ベネスエラ国会は保守・右翼野党連合MUDが多数を占めた。これに続くモラレスの敗北で、南米左翼路線の退潮が一層鮮明になった。

 ボリビア政権党MAS(社会主義運動)内部では、モラレスの後継者の地位を狙う権力闘争が始まることが予想される。現時点で有力なのは、モラレスの側近で先住民のダビー・チョケウアンカ外相と見られている。