2016年8月28日日曜日

パラグアイで軍人・警官8人殺害、ゲリラEPPの仕業か

 パラグアイ北部で8月27日、軍人・警官8人が待ち伏せ攻撃に遭い、殺害された。政府は、ゲリラ組織「パラグアイ人民軍」(EPP)の仕業と見ている。

 首都アスンシオンの北方約500kmのコンセプシオン県アロジートの未舗装道路で事件は起きた。巡視中の軍・警察合同作戦部隊(FTC)の少尉1人、軍曹7人を乗せた軍用トラックは地雷で破壊され、8人が様子を見るためトラックを降りたところ、機銃掃射された。

 EPPは2008年に活動を開始。今回の8人を入れて軍・警察要員計29人を殺害。牧場主ら文民約30人を葬った。EPPは、要員50~150人の小さな武装組織と見られている。思想傾向は定かでなく、「官製ゲリラ説」も消えていない。いまも警察下士官1人、メノニータ(メノナイト)農民2人を人質にし、身代金を要求している。

 非政府系団体である人民民主会議(CDP)は27日、恐怖を撒き散らしているとFTCの展開を糾弾。北部の問題は軍事的には解決できないと、政府を批判した。

 富豪のオラシオ・カルテス大統領はメヒコ訪問中だったが、留守中の重大事件発生で恥をかかされる形となった。パラグアイ法廷は7月12日、「クルグアティ虐殺事件」(2012年6月)判決で、被告農民11人に4年から30年の禁錮刑を言い渡したが、この事件はカルテスの所属するコロラード党など伝統的支配階層がでっちあげた謀略と見なされている。

 この事件の直後、当時の進歩主義者の大統領フェルナンド・ルーゴは責任をなすりつけられて弾劾、解任された。進歩主義政権を倒すため、事件がでっちあげられたとの見方が定着している。事件で死亡したのは農民11人、警官6人だったが、当局は警官の死亡に関してしか捜査しなかった。また弾道などから「第三者」による発砲の可能性が濃厚だったにも拘わらず、捜査はなされなかった。

 このような政治・社会状況とEPPの存在との関係は解明されていない。

★ブラジル短信  ブラジル国会上院は8月27日、ヂウマ・ルセフ大統領弾劾審理で証人証言を終了、29日の大統領の反対弁論を待つのみとなった。上院議員81人による弾劾投票は30~31日に実施される。

▼ボリビア短信  ボリビアのエボ・モラレス大統領は8月27日、「協同組合所属の鉱山労働者たちは政府打倒のクーデターを画策していた」と非難した。事件関与した鉱夫組織は、仲間同士の通信で「政権打倒」を口にしていたという。

 鉱夫らは25日、ロドルフォ・イヤネス副内相を6時間に亘って拷問した後、殴り殺した。大統領政庁で27日葬儀が執り行われ、大統領は3日間の国喪を宣言した。

★ベネスエラ短信  ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は8月27日、来訪したイランのムハマド・ザリフ外相と会談、戦略的関同盟関係強化で一致した。両国は金融協力協定などに調印した。大統領はまた、国軍首席将軍ヘスース・ゴンサレスをイラン駐在の新大使に任命した。ザリフ外相はクーバ、ニカラグア、エクアドール、チレ、ボリビアを歴訪、カラカスから帰国の途に就いた。

 マドゥーロは27日の演説で、ボリビアのモラレス大統領に連帯を表明。「米国内からベネスエラにクーデターの陰謀が仕掛けられている」と指摘、その動きを糾弾した。