2016年11月20日日曜日

ボリビア原子炉の建設前調査は来年3月終了へ

 ボリビアの原子力開発当局者は政治首都ラパスで11月18日、同市郊外にある標高4000mのエル・アルト市に建設される実験用原子炉1基から出る廃棄物は年間2kg程度で、すべてロシアに送られる、と明らかにした。

 ボリビアのエボ・モラレス大統領は2014年、原子力導入を決定。ことし3月、ロシアと原子力協力協定を結んだ。

 これにより、ロシアのロサトム社が平和利用のための原子力調査所を総工費3億ドルで建設することになった。原子炉1基、および癌早期予測や冠状動脈疾患検査などの医療用施設、食糧安全・無害調査施設が含まれる。

 ロサトム社は来年3月、実現可能性調査を終え、着工する見通し。工期は4年。建設敷地総面積は計15ha。国連・国際原子力機関(IAEA)は、この事業を認定している。

 この種の原子力調査所はラ米ではブラジル、アルヘンティーナ、メヒコにある。ボリビアの施設が完成すれば、ラ米最大級の規模になる見込み。

 廃棄物のロシア移送は、原子炉稼働から15~20年後になると、ロサトム社は予測している。なおボリビアはラ米有数の天然ガス生産国であり、産油国でもある。