2017年1月4日水曜日

ハイチ次期大統領はバナナ業者ジョヴネル・モイーズ

  アイチ(ハイチ)の選管である暫定選挙理事会(CEP)は1月3日、昨年11月20日実施の大統領選挙最終結果を発表、得票率55・6%で過半数を上回ったジョヴネル・モイーズ候補(48)を当選者と認定した。2月7日に就任、任期は5年。

 モイーズは裕福なバナナ業者。ミシェル・マルテリー元大統領の政権党「テトゥ・カレ・アイチ党」(PHTK)から出馬した。「テトゥ・カレ」はスキンヘッドを意味し、著名な歌手でもあるマルテリーの風貌に由来する。

 この大統領選挙は1昨年10月実施されたものが、モイーズ陣営による大規模な不正が発覚して無効となり、昨年2度の延期を経て11月ようやく新規実施された。

 マルテリーは任期満了で昨年2月退陣、その後は上院議長だったジョスレム・プリヴェールが暫定大統領になっていた。

 CEP発表に先立ち、選挙裁判所は「今選挙に不正はあったが、野党勢力が主張するほど大規模ではなかった」とし、選挙を有効と判断していた。

 選挙には27人が出馬したが、得票2位のジュディ・セレスタン(得票率19・57%、LAPEH党)ら野党有力候補たちは、大規模な不正を訴えていた。

 投票率は、わずか21%だった。モイーズの得票はその半分強であり、有権者全体の1割程度の支持で政権に就くことになる。このため次期政権は波乱含みになると予測されている。

 モイーズは記者会見し、発展、平和・秩序のために働くと強調。野党勢力に団結と政策協力を呼び掛けた。

 アイチは1804年元日に独立。米州では米国に次ぎ2番目に早い独立だが、依然今日、米州およびラ米の最貧国に留まっている。旧宗主国フランスによる収奪、その後の事実上の宗主国・米国による介入と収奪、米国によるデュヴァリエ父子2代長期独裁支援、民主化後の米国の政治介入、大震災・ハリケーンなど天変地異が原因と考えられている。

▼ラ米短信   ◎エクアドールで大統領選挙戦始まる

 エクアドール大統領選選挙は2月19日実施されるが、1月3日、その公式選挙戦が始まった。8人が出馬しているが、
有力候補は3人。

 ラファエル・コレア現大統領(53)の政権党パイース同盟(AP)の候補レニーン・モレーノ元副大統領(63)は支持率29~36%で、優位にある。2番手は元銀行頭取の保守・右翼ギジェルモ・ラッソで、18~22%。3番手は左翼の女性候補シンシア・ビテリで、11~19%。これに中道の元キト市長フランシスコ・モンカーヨ退役将軍(7~15%)が続く。