2017年3月12日日曜日

 ハバナで「カリブ諸国連合」(AEC)と「カリコム・キューバ協力」機構の外相会議が相次いで開かる。ビデガライ・メキシコ外相はAEC諸国の対メキシコ連帯に謝意表明

 カリブ沿岸および周辺の25カ国が加盟する「カリブ諸国連合」(AEC)の第22回外相会議が3月10日ハバナで開かれた。ラウール・カストロ玖国家評議会議長が歓迎の挨拶、次いでブルーノ・ロドリゲス玖外相を議長に討議に移った。外相22人が参加する盛会だった。

 ロドリゲス外相は、1995年8月トゥリニダード&トバゴ(TT)でのAEC設立首脳会議で観光、通商、運輸の開発3本柱が決まり、後に災害対策と気候変動が追加され、重要案件5本柱となった経過を振り返った。さらに今外相会議に先立ち8日ハバナで、第1回AEC協力会議が開かれたことや、中露両国との協力の重要性に触れた。

 最も注目されたメヒコのルイス・ビデガライ外相は、「米新政権との意見の明確な隔たりがあるが、我々は交渉過程にあり、必ずや良い決着を見るだろう」と述べ、AEC加盟諸国によるメヒコへの連帯に謝意を表した。

 来年までの議長国に選ばれたベネスエラのデルシー・ロドリゲス外相は、「外部勢力からの内政干渉、覇権主義押し付けを糾弾する。メヒコに連帯する。国境の壁はラ米・カリブ全域に対する壁だ」と語った。会議は、域内の航空・海洋運輸接続強化などを謳ったハバナ宣言を採択し、閉会した。

 ビデガライ墨外相は、9日ワシントンでハーバート・マクマスター大統領国家安全保障担当補佐官、ジャレッド・クシュナー上級顧問(トランプの女婿)らと会談し、ハバナに来た。ハバナでは、クーバ、ベネスエラ、コロンビア、ガアテマラの外相と会談した。

 今会議で日本は、AECのオブザーバー資格が認められた。出席した薗浦健太郎副外相はジューン・スーマAEC事務局長、ロドリーゴ・マルミエルカ玖通商・外資相、ロヘリオ・シエラ玖副外相、コロンビア、グアテマラ、バルバドス3国外相と会談した。

 薗浦副外相は、マルミエルカ同相との間で、クーバの米作技術協力とごみ収集車供与など総額22億円強の協力合意書に調印した。

 ハバナでは続いて11日、カリブ共同体(カリコム)とクーバの第5回外相会議が開かれた。議長を務めたロドリゲス玖外相は、トランプ政権登場を踏まえて「米州の新たな試練の下での連帯強化」を強調、カリブ統合努力の一環としてクーバが近く「カナル・カリーベ」(カリブチャネル)というテレビ放送を開始することを明らかにした。カリコム・クーバは12月、バルバドスで第6回首脳会議を開く。

 マルミエルカ玖相は、カリコムのコリン・グランダーソン事務次長に「経済協力合意第2議定書」を渡した。カリコム産品240品目とクーバ産品85品目を相互に自由化する合意が記されている。