2017年4月17日月曜日

 ベネズエラ国軍現役士官らがCIAとドミニカ共和国で定期的に会合、クーデターを謀議と、ジャーナリストJV・ランヘールが暴露▼メキシコでジャーナリストがまた殺される

 ベネスエラの著名なジャーナリスト、ホセ=ビセンテ・ランヘールは4月16日、TVテレベンの日曜定例番組で、反政府勢力がドミニカ共和国(RD)の高級ホテルで定期的に米CIA(中央情報局)と会合している、と暴露した。ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領のチャベス派政権を打倒するゴルペ(クーデター)の可能性などを謀議しているという。

 この会合には、ベネスエラ側から「国軍現役士官たち、同退役将軍1人、著名な元テレビ人1人」が参加しているという。ランヘールは、故ウーゴ・チャベス前大統領の政権で外相、国防相、副大統領を務めた。マドゥーロ政権の諜報機密情報に接近できる立場にある。

 ランヘールはまた、ベネスエラの保守・右翼野党連合MUDについて、「いくら街頭動員しても、ベネスエラ人民の平和主義をくずせない」と指摘。それがため、陰謀に傾斜しているとの見方を示唆した。

 さらに、ベネスエラ教会指導部はフランシスコ法王との隔たりが増しており、憲政逸脱傾向を強めている、と批判した。ラ米などの元大統領ら20人が、ゴルペ支持派の米州諸国機構(OEA)事務総長ルイス・アルマグロと連携して、「米州民主憲章」をベネスエラに適用しようと謀っている、とも述べた。

 マドゥーロ大統領は16日、定例TV番組で、「(チャベス派)市民は右翼暴力を打ち破った」と強調した。また、タレク・エルアイサミ執権副大統領は15日、MUDの街頭での反政府行動について「ゴルペ正当化のための理由づけ」と非難した。

 政府とMUDは19日、首都カラカスで、最大動員をかけると共に表明しており、緊張が高まっている。マドゥーロ大統領は、聖週間の特別警備態勢を19日まで延長、厳戒態勢をとる。

 政府諜報機関SEBINは、7日逮捕した著名な反政府派の退役少将アンヘル・ビバス(60)を取り調べた。ビバスは軍事法廷に立たされる見通しと伝えられる。

 一方、D・トランプ米大統領とフロリダ州の別荘で14日会合したコロンビア政界極右指導者アルバロ・ウリーベ前大統領は、米議会に、マドゥーロ大統領を政権から降ろし、ベネスエラを法治国家とすべきだ、という趣旨の主張を含む書簡を送ったことを15日明らかにした。

▼ラ米短信  ◎またメヒコでジャーナリストが殺される

 メヒコ北西部の南下加州都ラパスで4月14日、電子メディア「コレクティーボ・ペリクー」の論説記者マキシミニオ・ロドリゲス(73)が白昼、商店街の駐車場で、自動小銃により銃弾15発を見舞われて即死した。

 ロドリゲスは、政治、警察、治安などの専門記者。昨年来、組織犯罪集団と見られる方面から脅迫されていた。これで今年メヒコで殺されたジャーナリストは4人となった。2000年からは104人目とされる。