2017年6月13日火曜日

 チェ・ゲバラを50年前捕えたボリビア軍退役将軍が「ゲバラは殺されるため送りこまれた」と語る。近く著書で詳述▼プエルト・リコ住民投票は投票率23%と低調。「米国51番目の州」化が多数▼獄中のベネズエラ極右政治家が国軍に「反逆」を呼び掛け。国軍高官が制憲議会反対で辞任か

 50年前の1967年10月8日、ボリビアで革命家エルネスト・チェ・ゲバラを逮捕した人物として知られるボリビア陸軍退役将軍ガリー・プラード=サルモンは6月11日、「チェはクーバ共産党上層部からボリビアに殺されるために派遣された」と語った。

 プラードは『犠牲にされたゲリラ』の著者だが、エル・チェ歿後半世紀に際し、改訂版として近く『ニャンカウアスーからラ・イゲーラへ-50年後に』を出版する。そこに、故フィデル・カストロ首相(1967年当時)の「裏切り」などを証言と共に盛り込むという。

  ゲバラの遺体が埋められていたサンタクルース州バジェグランデ市と民間団体は10月のゲバラ没50周年行事開始の準備を進めている。

 革命戦争中、エル・チェ(チェ・ゲバラ)が重要な戦果を挙げたサンタクラーラ市入口には、「エルネスト・チェ・ゲバラ彫刻複合体」がある。ゲリラ姿のゲバラ像、博物館、霊廟などが並んでいるが、このほど修復作業が完了した。ドイツの協力で、技術者4人が5週間かけて修復した。

 一方、スペイン・バスコ州ビルバオの対玖連帯会合は11日、スペイン保守紙エル・パイースに「クーバをめぐる最悪虚偽報道賞」を授賞することを決め、閉会した。

▼ラ米短信   ◎プエルト・リコ住民投票は低調

 米植民地プエルト・リコで6月11日実施された住民投票は、投票率が23%で、極めて低調だった。投票者の97%は政権党PNP党員ないし支持者で、「米国の第51番目の州」になることを選択した。

 「完全独立」ないし「自由連合国」としての独立に投票したのは1・5%、現状維持(自由連合州)は1・32%だった。独立2党は投票をボイコット、このこともあって投票率は上がらなかった。

 米連邦議会が、この投票結果をどう判断するかに焦点が移る。共和党はプエルト・リコの正式州化に消極的だ。

▼ラ米短信   ◎ベネスエラ情勢

 スペイン訪問中のPPクチンスキ秘大統領は6月12日マドリーで、「ベネスエラの民主体制維持のため、内政干渉と見なされようと
も、ラ米諸国は関与する必要がある」と前置き。「ベネスエラの味方3国、反対派3国の計6カ国で仲裁委員会を作ってはどうか」と提案した。これは米政府の意向を受けた提案。

 一方、暴動教唆罪などで服役中のベネスエラ極右政党VP(人民意志)党首レオポルド・ロペスは11日、ビデオメッセージを流し、その中で国軍に対し、「あなた方は護憲などのために反逆する権利と義務がある」と訴えた。マドゥーロ・チャベス派政権に忠誠を誓っている国軍を離反させる戦術だ

 ジャーナリスト、ブラディーミル・ビジェーガスは12日、国防会議および国家評議会の書記アレクシス・ロペス少将が、マドゥーロ政権が推進している制憲議会(ANC)開設政策に反対して辞任した、と明らかにした。国防相は確認していない。同少将は、故ウーゴ・チャベス前大統領の政権で、大統領親衛隊長、陸軍司令官を務めた。

 ベネスエラ政府は北京で12日、オリノコ油田で原油を日量32万5000バリル増産する合弁事業計画に調印した。