2017年6月13日火曜日

 パナマが台湾と断交、中国と国交樹立▼マルティネリ前パナマ大統領がマイアミで逮捕さる▼ベネズエラ最高裁が検事総長の訴えを却下▼デルシーVEN外相はペルー大統領提案を内政干渉と糾弾

 パナマのフアン・バレーラ大統領は6月13日、中国と国交を樹立した、と発表した。この日北京で、イサベル・サンマロ副大統領兼外相と王毅外相が国交樹立協定に調印した。パナマと台湾の外交関係は消滅した。

 バレーラ大統領は、世界最大の人口を持ち世界第2の経済大国である中国と国交がなかったのは虚構だったが、それを正した、と述べた。王毅外相は、パナマが「一帯一路」に参加するのを歓迎すうと述べた。

 これで台湾が外交関係を維持するのは20カ国になった。うち11カ国はLAC(ラ米・カリブ)地域にある。中国系企業はニカラグアで運河を建設中だが、パナマ運河を持つパナマと国交を樹立したことで、中国は存在感を一層増した。

 中国はパナマ運河利用国として米国に次いで世界2位。同運河カリブ海側のコロン自由貿易地域での物資供給国としては第1位だ。中米ではコスタ・リカが中国と国交を維持しており、次はニカラグアになる公算が少なからずあると見られている。

  一方、国際刑事警察機構(インターポール)は12日、パナマ前大統領リカルド・マルティネリをマイアミで逮捕し、身柄を収監した。マルティネリは13日出廷する。パナマ政府は身柄引渡しを要求している。マルティネリは法的追及を逃れ15年初めからマイアミに住んでいた。

 パナマ政府は、違法情報収集および公金横領で国際手配していた。マルティネリは2014年まで5年間政権にあった期間に、政敵ら約150人の電話や電郵(eメイル)を傍受していた。公金横領など腐敗容疑をかけられている。

▼ラ米短信   ◎ベネスエラ最高裁が「制憲議会無効」の訴えを却下。

 ベネスエラ最高裁選挙法廷は6月12日、ルイサ・オルテガ検事総長による制憲議会(ANC)開設決定の無効化を求める訴えを却下した。オルテガは3月末からニコラース・マドゥーロ大統領の法的措置にしばしば異議を唱えてきた。

 政府および政権党PSUVにはオルテガ更迭を求める声が高まっている。一方、反政府勢力の中核である保守・右翼野党連合MUDは、オルテガを支持している。

  デルシー・ロドリゲス外相は13日、PPクチンスキ秘大統領がマドリードでベネスエラへの6カ国による仲裁を提案したことについて、内政干渉として糾弾。同大統領に「ベネスエラに伸ばしたその忌まわしい手を引け」と、警告のメッセージを発した。