2018年5月6日日曜日

 コロンビア政府とゲリラELNの和平交渉はハバナに場所を移して続開へ▼エクアドール大統領の貸座敷打ち切りを受けて▼パナマ大統領が制憲議会開設方針を発表▼パナマ駐在の米大使がトランプ政権嫌って辞任

 コロンビア政府とゲリラ組織「民族解放軍」(ELN)は5月5日、和平交渉を7日以降ハバナで実施する、と発表した。キューバ政府も5日、双方からの要請を受けて和平交渉の貸座敷となることを決めた、と発表した。
 ハバナでは2012~16年、コロンビア政府とゲリラ組織「コロンビア革命軍」(FRAC)の和平交渉が続けられ、16年11月、和平は実現した。

 COL政府とELNは2017年2月、赤道国首都キト郊外で和平交渉を開始、10月から今年1月にかけての停戦に漕ぎ着けた。交渉は第5段階に達していたが、4月18日、レニーン・モレーノ赤大統領が交渉貸座敷提供打ち切りを表明、当事者双方は新たな交渉場所を探していた。

 キト交渉はラファエル・コレア前赤大統領が受け入れたが、後継者だが保守的なモレーノ大統領は貸座敷であることに必ずしも乗り気でなかった。
 3月から4月にかけて赤主要紙エル・コメルシオの取材班3人がコロンビア国境地帯で、武闘を継続するFARC分派に殺害されたのを受けて打ち切りに踏み切った。
 その理由として「ELNがテロリズムを止めていないこと」を挙げたが、不可解な説明であり、貸座敷であるのを止めたい意思表示と受け止められていた。

 ELNは1964年に武闘を開始した大学生やスペイン人カトリック神父が主体の組織。富裕層出身の神父だったカミ―ロ・トーレスも政府軍との戦闘で死んでいる。
 ELNは故エルネスト・チェ・ゲバラの思想(ゲバリズモ)を信条とし、コロンビア主義の強かった農民と共産党主体のFARCとは一線を画していた。

 ハバナでの新たな和平交渉は、19日に発足したミゲル・ディアスカネル玖国家評議会議長にとり、最初の重要な多国間外交事業となる。ベネズエラ、ブラジル、チリ、ノルウェーも保証国として和平交渉に関与している。

▼パナマが制憲議会設置方針を発表

 フアン=カルロス・バレーラ巴大統領は5月5日、新憲法ないし改憲の草案を起草する制憲議会の議員60人を選ぶ選挙を、2019年5月5日の総選挙と同時に実施すると発表した。7日から国内各界に諮問するという。

 制憲議会開設は同大統領の選挙公約だった。だが任期が残り一年余りとなった今、具体策に踏み切ったことに異論が巻き起こっている。「バレーラ派の長期支配が狙いではないか」という非難が野党からは出ている。
 総選挙では正副大統領、中米議会議員、市長、市会議員、集落役員を選出する。これに制憲議会議員が加わることになる。

 一方、米国のジョン・フィーリー駐巴大使は5日、トランプ政権下ではやっていけないとして辞任した、と公表した。米国務省は、同大使が3月9日付で辞表を提出していたことを明らかにした。